◆急性炎症

炎症には、「発赤、腫脹、熱感、疼痛」といった症状があります。

これらは、生体が何らかの刺激を受けた時に共通して現れる変化です。

これらの変化は生体を防御したり、修復する為に起こります。

そして、この炎症の場には白血球を初めとした免疫に関与する細胞が出現することから、免疫反応の一環として炎症をとらえることが出来ます。

免疫においては、自己以外の異物を認識して攻撃・排除する「特異性」が大きな特徴です。

しかし、特にその初期の段階では、原因や病原体の種類にかかわらず、ある程度共通した反応が見られます。「発赤、腫脹、熱感、疼痛」は、主に急性期における変化ですが、一方で末期の修復の段階や慢性期にも、やはり共通点が見られます。(慢性炎症に関しては次回)

 

では急性炎症とはどのようなものでしょうか?ひと言でいえば、血管の変化です。

先述の通り、「発赤・腫脹・熱感」はいずれも、局所の血流が増加し、さらに血管内から血管外(細胞間)に血漿成分が滲出することによって生じた結果です。

炎症の最初の段階から見られるこれらの変化は「局所の循環の変化」と考えられています。

急性の炎症には、はっきりとした原因があり、外傷、衝突による打撲、感染症、食中毒、空気感染、ホルモンと過剰なストレスなどです。

私たちがもっとも身近に炎症反応を感じるのは、外傷や感染症ではないでしょうか?

また、急性炎症には3つの機能があります。

  • 身体的か科学的な刺激を受けた後の、治癒過程や修復過程における最初の回復機能
  • 身体の他の部位に2次的な問題の原因となる細胞の障害が伝播するのを予防
  • 損傷した細胞と死んだ細胞を身体から取り除く作用

このように急性の炎症には、身体が受けた傷を修復するのにとても大事な機能があるのです