栄養素(脂質)④

脂質と聞くと油を思い浮かべ、余り良いイメージがないかも知れません。

確かに脂質には糖質の2倍以上のエネルギーがあります。元々、からだの緊急事態に備えて蓄えられています。働きとしては、内臓を守るクッションのような役目、またホルモンの材料にもなります。また油で溶けるビタミンの吸収にも、おおいに役立ちます。

日航機墜落事故の際に助かったKさんは女性でした。助かったひとつの理由に女性だったからだと言われています。一般に女性の方が男性よりも皮下脂肪が多いと言われるので、この脂肪がクッションの役目を果たし、内臓を守ったと考えられます。

脂肪は、タンパク質と一緒になり、からだを作ります。また細胞を包み込む膜を作るのに重要な役割を果たします。なので、この脂肪が不足するとお肌がガサガサになったり、血管も弱く脆くなってしまいます。

逆に摂り過ぎると、肥満の原因になりますので、やはり程々がいいようです。参考までに糖質は1gあたり4キロカロリーのエネルギーを生み出しますが、脂肪は1gあたり9キロカロリーのエネルギーを生み出します。

余談ではありますが、誰もが知っているアボカドという食べ物があります。これは一見、野菜のように思えますが、実は立派な油の仲間ですので食べ過ぎには注意が必要です。

栄養素(タンパク質)③

タンパク質とは、からだを作るための栄養素。筋肉、髪の毛、皮膚、内臓、血管、爪、歯など、全てタンパク質です。これは誰しもが知ることだとは思いますが、実はこれ以外にも免疫抗体、ホルモン、酵素の原料でもあります。

タンパク質が不足すると、抜け毛や肌荒れがおこったり、筋肉が減ったり、風邪を引きやすくなります。なので、肉、魚、大豆、卵、ヨーグルトなどから、バランス良く摂取するのが一番です。しかし、いくらタンパク質が大事だとは言っても、ご飯や野菜などを食べずに、肉や魚ばかりを摂っていると、余分なものは尿として排泄されるので、尿を作る腎臓に負担がかかります。近年、ダイエットに糖質制限食が流行っていてタンパク質だけを摂る人が多くなっていますが、やはり程々がいいようです。ちなみに一日のタンパク質摂取量は70g~80gでいいようです。毎回の食事に自分の手のひらサイズを目安に、肉や魚を摂ることが望ましいとされています。入院生活を経験なさった方は、ご存じかと思いますが、病院食は栄養士さんがその人に合った栄養バランスを考えたメニューを作成して下さっていますので、参考にするのもありです。

栄養素(糖質)②

近年、糖質抜きダイエットが大流行していますが、果たして糖質抜きは本当に体に良いのでしょうか?答えはNOです。前回、少し触れましたが、糖質は脳のエネルギーとなるので、どうしても必要な栄養素です。逆を言うと、脳のエネルギーになるのは糖質だけです。

糖質の働きはお腹が空いた時、疲れた時、血糖が下がった時などに、素早くエネルギーを注入すること。特に甘いものは、直ぐにエネルギーに変わるので、体がみるみる回復してきます。プロゴルファーの○○さんが、プレーの直前にバナナ1本を食べると言うのも、とても理にかなった方法なのです。

また、誰もが経験したことがあると思いますが、仕事や受験勉強の時に何故か甘い物を欲する時がありますが、これも体がもっと栄養を頂戴!と要求しているのです。特に脳は1時間あたり5gのぶどう糖を消費していると言われますので、人は何もしなくても一日に脳は120gのぶどう糖を消費している計算となります。

但し、摂りすぎには注意です。何故なら、甘い物の代表であるお菓子やスイーツは美味しくて食べ過ぎてしまいまい、体の中で余ってしまうと脂肪に変わるので、太る原因となります。参考までに、砂糖と油を一緒に摂ると太り易いと言いますが、甘い物の中でもケーキは砂糖と油が大量に含まれているので注意が必要です。どうしても甘い物が欲しい場合は、和菓子がおススメです。和菓子は砂糖は使いますが、油は余り使わないからです。

栄養素(三大栄養素)①

新年、明けましておめでとうございます!

今年も、様々な医療情報を発信させて頂きますので、何卒、宜しくお願い致します。

今回から暫く、栄養素についてのアレコレを発信したいと思います。

健康のためには、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、禁煙、お酒は控えめに、などと言います。誰でも分かっていることですが軽視しがちなことでもあります。

特に不規則な生活で時間もなく、一人暮らしの方は、外食や中食が中心となり、バランスの取れた食事など、なかなか摂れません。

口から入った食べ物は胃や腸で体内に取り入れやすい形にして、必要なものは体内に取り入れ、不要なものは外へ出します。三大栄養素と聞いたことがあるかと思いますが、糖質、脂質、タンパク質の3つは体のエネルギー源となるので、体のベース作りには欠かせないものです。もし、私はダイエットをしているから何も食べないと言って、これら3つを摂らないとすると、エネルギーがないので力が出ず、動けません。車にガソリンを入れないで走るようなものです。糖質は脳のエネルギー源、脂質は体の緊急事態に備えてエネルギーと水を体内に溜めておきます。つまり、緊急時に出動する救急車のようなもの。タンパク質は筋肉、血管、髪の毛、肌など、体を作る材料となります。

このようなことを頭の片隅にでもおいておくと、外食や中食の時に役立つことでしょう。