AGEと糖尿病の合併症①

余り聞いたことがないと思いますが、糖尿病の合併症(神経障害、腎障害、眼障害)には、高血糖メモリーという考え方があります。

これは、過去のある時期に高血糖状態が続いていると、それが記憶としてからだに残り、糖尿病の合併症を進めるという考えです。これを知った時、からだというのは、過去の状態を記憶しているなんてと驚いたものです。

理由は、高血糖の状態のときに形成された物質がからだに残り、長期間蓄積を続けて心臓病や脳卒中の原因になっているということです。その物質こそがAGEなのです。

糖尿病対策は早ければ早いほど効果があります。後回しにしていると、その間にAGEが蓄積してしまい、あとでコントロールをしても、からだが高血糖を記憶しているので合併症などのリスクが高まります。一度、からだに溜まったAGEはなかなか無くなりません。

なので、糖化対策をきちんと行い、バランス良い食事、適度な運動を心掛け、糖質をコントロールし、AGEを作らない生活を心掛けることが大事なのです。

栄養素(タンパク質)③

タンパク質とは、からだを作るための栄養素。筋肉、髪の毛、皮膚、内臓、血管、爪、歯など、全てタンパク質です。これは誰しもが知ることだとは思いますが、実はこれ以外にも免疫抗体、ホルモン、酵素の原料でもあります。

タンパク質が不足すると、抜け毛や肌荒れがおこったり、筋肉が減ったり、風邪を引きやすくなります。なので、肉、魚、大豆、卵、ヨーグルトなどから、バランス良く摂取するのが一番です。しかし、いくらタンパク質が大事だとは言っても、ご飯や野菜などを食べずに、肉や魚ばかりを摂っていると、余分なものは尿として排泄されるので、尿を作る腎臓に負担がかかります。近年、ダイエットに糖質制限食が流行っていてタンパク質だけを摂る人が多くなっていますが、やはり程々がいいようです。ちなみに一日のタンパク質摂取量は70g~80gでいいようです。毎回の食事に自分の手のひらサイズを目安に、肉や魚を摂ることが望ましいとされています。入院生活を経験なさった方は、ご存じかと思いますが、病院食は栄養士さんがその人に合った栄養バランスを考えたメニューを作成して下さっていますので、参考にするのもありです。

栄養素(三大栄養素)①

新年、明けましておめでとうございます!

今年も、様々な医療情報を発信させて頂きますので、何卒、宜しくお願い致します。

今回から暫く、栄養素についてのアレコレを発信したいと思います。

健康のためには、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、禁煙、お酒は控えめに、などと言います。誰でも分かっていることですが軽視しがちなことでもあります。

特に不規則な生活で時間もなく、一人暮らしの方は、外食や中食が中心となり、バランスの取れた食事など、なかなか摂れません。

口から入った食べ物は胃や腸で体内に取り入れやすい形にして、必要なものは体内に取り入れ、不要なものは外へ出します。三大栄養素と聞いたことがあるかと思いますが、糖質、脂質、タンパク質の3つは体のエネルギー源となるので、体のベース作りには欠かせないものです。もし、私はダイエットをしているから何も食べないと言って、これら3つを摂らないとすると、エネルギーがないので力が出ず、動けません。車にガソリンを入れないで走るようなものです。糖質は脳のエネルギー源、脂質は体の緊急事態に備えてエネルギーと水を体内に溜めておきます。つまり、緊急時に出動する救急車のようなもの。タンパク質は筋肉、血管、髪の毛、肌など、体を作る材料となります。

このようなことを頭の片隅にでもおいておくと、外食や中食の時に役立つことでしょう。

◆玄米ご飯がすい臓の細胞に及ぼす影響

沖縄県では、玄米を食べ続けると血糖値の上昇が抑制されるということが従来から知られていたそうです。玄米の胚芽部分に含まれる「γ―オリザノール」という成分に着目し、琉球大学で調べました。Ⅱ型糖尿病の原因のひとつは、すい臓のβ細胞が小胞体ストレスにより細胞死し、インスリン分泌が低下することです。

小胞体というのは、タンパク質の加工工場で、作られたタンパク質には不良品もあり、それらが小胞体に蓄積し、細胞の機能障害を起こすのは小胞体ストレスです。マウスの実験で、高脂肪食と「γ―オリザノール」の両方を摂取させたところ、β細胞の機能は正常に保たれ、インスリン分泌量が増加したとの結果が出たそうです。

玄米は、この「γ―オリザノール」を豊富に含みます。また、玄米は白米に比べて、硬いので、歯で何回も噛まなければなりません。つまり、ゆっくりと噛んで食べるというのも、血糖値の上昇を抑制します。玄米は噛めば噛む程、甘味が出てきて美味しいので、食べなれていない人も、挑戦してみるのもいいのでは?

◆糖尿病と拒食症

先週、糖尿病とうつの話をしましたが、うつになると過食に繋がり、しまいには拒食症になる人がいます。過食と拒食は繰り返すと言いますが、その通りです。
私の知り合いは、病気のストレスで食べては吐き、食べては吐きの状態を続けていたら、体重がみるみる落ちて、ガリガリになってしまいました。本人に体重は聞けなかったので具体的な数値は知りませんが、足は小枝のようで、今にも折れそうでしたし、鶏ガラみたいな外見でしたので、30㎏~35kgのように思います。確か身長が158㎝位と聞いたことがあるので、本来ならば50kgあってもおかしくはありません。しかし本人は太っていると思っているのです。なので、今の体重よりも1kgでも増えると、自分はデブなんだ、また太ってしまったんだと、更に精神的に病んでいくのです。女の子の痩せ願望により、ここまで精神が破たんするとは恐ろしいものです。ちなみに、その子にきちんとご飯を食べているの?と聞くと、私はちゃんと食べているわよと言うのです。どんなものを食べているの?と聞いたら、ご飯は、ご飯茶碗をひっくり返して、高台の部分(杯のような形の部分)に、ご飯を入れるのだそうです。これって一口にもなりません。そして、生野菜だけを食べると言っていました。Um~~~、なんて言ったらいいのでしょう。言葉がありません。このように、男性と違い、特に女性は外見のことを気にするが余り、どんどん、体を蝕んでいくように思います。普通に食べて、運動して、筋肉をつけて、引き締まった体になるには、精神的にも健康でなければならないようです。