幻の植物を探して・・・
訪ね歩き、聞き歩き。だが、いっこうに、この植物を知る人もなく、噂を聞いたことはあっても、実物は知らない、どこにあるのかも分からないという有り様。
途方に暮れるインディS氏は、あることを思いつく。
「そうだ、懸賞金をかけてみよう」思いついたら、即行動。
かけた懸賞金は2,000ドル──当時カンボジアではそこそこの企業のサラリーマンの給与半年分でした。
当然賞金目当ての人たちが集まってきます。しかも、求めているのは誰も知らない植物の情報なのです。
ウソでも分かるはずがないという手合いが集まり、何度も何度も騙される始末。今度こその思いで、お金をばらまき集まる偽情報の数々。
「これが凄い効き目、噂の薬草」と言われ、1tも購入。調べてみれば、ただのウコンでした。
いったん走り始めたら、もう止まらないインディS氏です。ようやく待ち続けていたホンモノが姿を現す時がきました。
名前は、「黒ガリンガル」それを持ってきてくれたのは秘境地帯出身の人でした。
その人に、手にした植物が自生する秘境地帯に連れて行って下さい!と、何度も何度も頼み込み、やっとの思いでたどり着くことが出来たのです。
着くまで幾日もかかり、また騙されているのではとの疑念を持つ瞬間さえありました。
やがてたどり着いたところ、そこは、まさに自給自足の秘境。国境すらはっきりせず、戸籍があるかどうか分からない人もいるようでした。そんな秘境だからこそ、幻の植物だったのだという実感が込み上げてくるのでした。
しかし、本当の困難はここから始まったのです。これまでの苦労は、単にスタートラインに立てたというだけのものだったのです。