AGEと糖尿病の合併症①

余り聞いたことがないと思いますが、糖尿病の合併症(神経障害、腎障害、眼障害)には、高血糖メモリーという考え方があります。

これは、過去のある時期に高血糖状態が続いていると、それが記憶としてからだに残り、糖尿病の合併症を進めるという考えです。これを知った時、からだというのは、過去の状態を記憶しているなんてと驚いたものです。

理由は、高血糖の状態のときに形成された物質がからだに残り、長期間蓄積を続けて心臓病や脳卒中の原因になっているということです。その物質こそがAGEなのです。

糖尿病対策は早ければ早いほど効果があります。後回しにしていると、その間にAGEが蓄積してしまい、あとでコントロールをしても、からだが高血糖を記憶しているので合併症などのリスクが高まります。一度、からだに溜まったAGEはなかなか無くなりません。

なので、糖化対策をきちんと行い、バランス良い食事、適度な運動を心掛け、糖質をコントロールし、AGEを作らない生活を心掛けることが大事なのです。

AGEと血管の老化②

第一の仕組みは、動脈硬化の最初の引き金になるのは、血液中に増えすぎたコレステロールの血管への蓄積です。血管に蓄積した悪玉コレステロールはAGEの悪影響を受けます。

AGEの悪影響を受けた悪玉コレステロールは処理するために出動したマクロファージに取り囲まれて、泡沫細胞という細胞になります。

この泡沫細胞がアテローム(粥状)を作ったり、また動脈の壁を厚くしたりします。

第二の仕組みは、AGEの血管に対する直接的な悪影響です。

血管の内側にある血管内皮細胞には、AGEをキャッチするアンテナ(受容体)があります。

この受容体にAGEが結合すると、動脈硬化を進め炎症反応が起こるのです。

動脈硬化が進行し、アテロームという固まりが大きく成長したり、それが破裂して血管内に血の固まり(血栓)が生じたりすると、血管が詰まって血流がストップします。

脳の血管が詰まると脳梗塞、心臓の冠動脈が詰まると心筋梗塞が引き起こされます。

AGEと血管の老化①

先週、お話しましたコラーゲン繊維は皮膚を構成するタンパク質としてよく知られていますが、実は血管もコラーゲン繊維で出来ています。

こんな言葉をお聞きになったことはおありでしょうか?「人は血管と共に老いる」

血管が老いるとからだも老いますが、実はその背後にもAGEが存在します。

からだは60兆個を超える細胞の集合体です。その血管が細胞のひとつひとつに、必要な酸素と栄養素を送り届けていますが、万が一、血管が詰まり血液の流れが止まると、その血管が必要な酸素と栄養素を届けられなくなり、細胞は死んでしまいます。

血管の老化現象として恐れられているのは、皆さんも良く耳にする「動脈硬化」です。

動脈硬化の多くは「アテローム(粥状)硬化」と呼ばれるタイプで、厚くなった動脈の内部にアテローム(粥状)の固まりが生じるのが特徴です。AGEは2つの仕組みでアテローム

による動脈硬化を進行させるのです。

AGEとコラーゲン繊維

AGEは老化物質でもありますが、中でも老化と関わり合いが深いのが、タンパク質への架橋形成です。私たちのからだはタンパク質でできていて、そこにAGEが結合すると老化を早めます。AGEの多くはタンパク質とタンパク質に橋を架けるように存在します。(架橋)

このAGEの影響を受けやすいタンパク質のひとつに「コラーゲン繊維」があります。

コラーゲンは誰しもが聞いたことがあるとは思いますが、このコラーゲン繊維は体内にあるタンパク質の約30%を占め、肌の弾力性や柔軟性といった機能性を保つ重要な働きをします。コレステロールには善玉コレステロールと悪玉コレステロールがあるように、コラーゲン繊維にも善玉と悪玉があります。生理的な架橋が善玉だとしたら、AGEによる架橋は悪玉と言えます。本来、肌の弾力性や柔軟性を保つために、生理的にタンパク質同士に橋が架けられるのですが、本来なら、橋が架からなくていい場所にまで架かってしまうと、肌は引っ張られてシワとなって表面に現れます。小ジワや深いシワは、AGEが原因だったのです。

参考までに、血液で酸素を運んでいるヘモグロビンというタンパク質の寿命はおよそ120日ですが、コラーゲン繊維は15年以上も体内に留まり続け、その間にAGEが蓄積してしまうのです。