生活習慣病の原因はAGE③(AGEとアルツハイマー)

からだも老化しますが、それにつれて脳も老化していきます。

近年、社会問題にもなっている認知症ですが、認知症の中でも半分以上はアルツハイマー病によるもので、これを「アルツハイマー型認知症」と呼んでいます。

原因として挙げられるのが、遺伝子の変異によるアルツハイマー病(家族性アルツハイマー病)は、全体の0.1%程度でしかなく、大部分は遺伝子的な変異とは関係ない生活習慣病が関係するアルツハイマー病です。脳は1000億個ともいわれる神経細胞の固まりです。

アルツハイマー病には正常な脳にも存在しているタンパク質が、「アミロイド」という細い繊維をつくって神経細胞の外側に沈着する特徴があります。それが集まり巨大な「アミロイド繊維」をつくるとシミのように見えることから、「老人斑」と呼ばれています。

アルツハイマー病では、神経細胞内に2本のらせん状のタンパク質が蓄積する神経原繊維変化が起こり、最終的には脳が委縮する脳変性が起こります。

アルツハイマー病にAGEが関係している証拠に、前述した老人斑には大量のAGEが含まれていることが分かっています。この他、神経性の難病であるパーキンソン病では、中脳に「レビー小体」という異物が発生しますが、ここにもAGEが多量にたまっています。

糖尿病の方は要注意!糖尿病と認知症の関係

昨年の第59回日本糖尿病学会年次学術集会より抜粋します。
全国で950万人の糖尿病患者、そして462万人の認知症患者、この2つの病気の間に「危険な関係」があることが分かってきた。糖尿病の人は認知症になりやすく、認知症になると糖尿病が悪化しやすくなる。早い時期から高血糖と低血糖を防ぎ、認知症を予防することが重要。

九州大学が行っている「久山町研究」では、高齢糖尿病患者では認知症の合併が多いことが明らかになっている。糖尿病のある人ではそうでない人に比べ、アルツハイマー病や血管性認知症の発症リスクが2~4倍に上昇するという。
アルツハイマー病は脳の神経細胞が死んでいく病気だが、脳細胞が死んでいく原因については、現在かなりのことが分かってきている。アルツハイマー病の患者の脳には「老人斑」というシミのようなものがたくさんある。老人斑には「アミロイドβ」という物質がたまっており、このアミロイドβが増えることで脳の神経細胞が障害を受け、最終的に死んでいくと考えられている。
糖尿病の人がアルツハイマー病を発症する理由のひとつは、糖尿病は脳の動脈硬化を促進するからだ。動脈硬化が進めば脳梗塞の発症リスクが高くなり、血管性認知症にもなりやすくなる。
さらに、食後の血糖値が高くなる「食後高血糖」が続くと、酸化ストレスや炎症、糖を燃やした時にできる有害物である「終末糖化産物」などが、脳の神経細胞にダメージを与えることも分かってきた。
一方で、薬物治療を行うと、血糖値が下がりすぎる「低血糖」が起こるリスクもある。重症の低血糖は脳の神経細胞にダメージを与え、重症低血糖の経験のある人はない人に比べて、認知症の発症リスクが約2倍になるという報告がある。高血糖とともに低血糖も防がなければならない。

これらの学会内容を読むと、高血糖だけでなく、低血糖にも注意が必要だとのことです。糖尿病と言うと高血糖ばかりに気を取られてしまいがちですが、低血糖への注意も必要ですね。

歯周病がアルツハイマー型認知症の原因

認知症の中で最も多い、アルツハイマー型認知症。症状はもの忘れなどの記憶障害などです。

歯周病との因果関係については、まだわかっていないものの、口の中の歯周病菌や炎症のもととなる物質などが、血流に乗って脳に運ばれて何らかの影響を与えているのではないかと言う事です。

また、歯周病で歯を失うことも、アルツハイマー病と無関係ではないそうです。アルツハイマー型認知症の発症には脳の中の神経伝達物質の減少が関わっていると考えられており、神経伝達物質は噛むことによる刺激が脳に伝わることで増えるからです。また、噛むことが脳を活性化することもわかっています。つまり、歯周病によって歯を失うことが、アルツハイマー型認知症の引き金にもなりかねないということなのです。 実際、アルツハイマー型認知症の人は健康な人よりも歯の本数が少なく、また、残っている歯が少ないほど脳の委縮が進んでいたということが報告されています。

昔から、食べる時は、よく噛んで食べなさい!と言いますが、これは根拠がきちんとあるのですね。

高齢社会から超高齢社会へ突入した日本

高齢社会と言われていた日本が超高齢社会と言われるようになって、早くも10年になりますが、多くの問題が浮き彫りになってきました。そのひとつが「認知症

この認知症の原因のひとつとして考えられているのが酸化です。
脳は常に活動しているので、沢山の酸素が必要です。
しかし、使われなかった酸素が体内で活性酸素という物質になり、脳細胞を傷つけてしまいます。

もうひとつ、最近、特に注目を浴びているのが、アミロイド仮説と言うものです。
脳にアミロイドβという変性したタンパク質が溜まるのです。
そして、この変性したタンパク質にAGE(糖化最終生成物)という人間の体にとって100%有害な物質が多量に溜まっている事が確認されました。
このように、認知症の原因には酸化と糖化が関係しているのです。

このAGEの蓄積を抑制する事ができて、抗酸化作用、抗糖化作用があるのは、黒ガリンガルという植物だけなのです。
今まで認知症は高齢者だけの病気と考えられてきましたが、最近では若年型認知症も騒がれるようになりました。

このような日本の現状を目の当たりにすると、ますます、目が離せない黒ガリンガルです。