◆冷え性◆

一般に冷え性というと軽視しがちですが、からだが冷えるのは全身に悪影響を及ぼします。

他のみんなが寒がらないのに自分だけ寒いと感じたり、実際に気温の低下に対し体温調節ができず、からだの表面温度が低下してしまい、日常生活に支障をきたし、人によっては熟睡さえできなくなります。主に手足の先や背中の辺りなど、局所的に皮膚の温度が低下するものであり、体内の温度(体温)が低下することはありません。冷え性は気温の低い冬場に起こると思いがちですが、実は気温の高い夏場にも起こります。冷たい飲み物や食べ物、エアコンの効きすぎ、シャワーだけで済ませ、湯船に浸からない生活などの生活習慣で、夏場にも冷え性に悩む方が増えています。からだが冷える、からだを冷やすのは全身の病気の原因になりやすいと言われます。人間の免疫力は腸が鍵を握っていると言われ、腸を冷やすと免疫力が下がります。野球監督の王貞治さんは夏場でも一切、冷たい飲み物、食べ物は口にしなかったと言います。冷え性のタイプは①自律神経の失調によるもの。つまり、月経周期と関係んばく、気温の低下に過敏に反応して「冷え」を訴えるタイプ②月経時やその後の10日間程度、周期的にみられるタイプで黄体ホルモンによる気温上昇作用が消失したことによるもの③更年期やそれ以降の女性に見られるもので、女性ホルモンの変化や血管の老化に伴う血流障害などが関係しているものに分けられます。手足が冷たくなったり、しびれることがある、月経痛がひどい、トイレが近い、風邪を引きやすい人は要注意です。

◆不眠

夜、なかなか寝付けない、眠りが浅い、夜中に何度も目が覚めてしまう、夜中に目覚めると、それから眠れなくなる、一睡もできない。昔はベッドに入ると、すぐに寝てしまったはずなのに、なぜでしょう。誰しもが一度は不眠を味わった経験があると思います。眠れないまま次の日を迎えると、前の日の疲れが残ったままで、会社や学校に行くことになり、思考能力も落ち、集中力にも欠けてしまいます。不眠は個人差があり、数時間しか寝ていないのにグッスリ眠れて、翌朝スッキリという人もいれば、十分な睡眠時間は取れているのに、眠りが浅く、翌朝起きると、からだがだるいとか疲れが取れないとの症状を訴える人もいます。原因には騒音や時差など外部環境の変化、痛みを伴うからだの病気、薬の副作用、精神的なもの、更年期障害、ストレスなどが考えられます。最近、特に目立つのは精神的なもの、ストレスなど、こころの問題で不眠状態になる人が多いということです。悩み、心配事、不安など、誰しも何かしらは抱えて生きていますが、こころにこれらがあると不安になり、眠れない夜が続くようです。また、高齢者の方にみられるのは、夜、眠れないので、昼に寝ておこうということで、昼間に寝てしまうという人もいるようです。これでは夜に眠れないのは当たり前です。予防としてはカフェインなどの刺激物は就寝前には飲まない、なるべく昼間に運動する、ゆっくりと入浴するなどして、からだのリズムを整えることです。心身ともにリラックスが基本ですね。

◆頭痛

日本人の3人に1人が頭痛を持っている!なんて聞いたことはありませんか?たかが頭痛などとあなどれません。頭痛は怖い病気もあるので、早めに医師に相談することをお勧め致します。頭がズキズキ痛む、ガンガン痛む、など、頭痛にも程度があるようです。よく言われる頭痛もちの頭痛と言うのは慢性頭痛です。私たちの生活の中で頭痛もちの予防は、①緊張している筋肉をほぐすマッサージや、首、肩、腕を回したり、曲げたりする運動をすること。②十分にリラックスする時間を作ること、そしてストレスはためない。③ゆったりとお風呂につかり、血液の流れをよくすること。④痛みをやわらげてくれる飲食物をとること。具体的にいうと、緑黄色野菜などのマグネシウムやビタミンB2を多く含む食品のことです。頭痛には、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などがありますが、緊張型頭痛は長時間のデスクワークによる頭部の筋肉の緊張や精神的ストレスで起こります。頭全体がギューッとしめつけられるような痛みといわれます。片頭痛は頭の片側だけに感じる痛みです。ズキンズキンという痛みが起こり、吐き気がしたり、光をまぶしく感じたり、音に敏感になったりします。特に女性に多いといわれます。群発頭痛は1年の決まった時期、毎日、決まった時間帯にズキンズキンという目をえぐられるような激しい痛みが起こります。これらは我慢せずに、早めに医師に相談するのが一番です。

◆脱水症状

この夏は猛暑を通り過ぎ、酷暑と言われており、体調を崩した方もいらっしゃると思います。

余りの暑さに、からだもダルく、食欲も失せて、水分摂取も十分でない状態だったのではないでしょうか?脱水とは体液が失われた状態です。体液は主に水と塩分でできていますので、今年の夏のような酷暑が続いた場合は、水分と共に塩分の補給も忘れないことです。脱水の症状として挙げられるのは、①微熱 ②口渇感 ③体重減少 ④尿や発汗の減少などです。からだの中でも、脳、消化器、筋肉などに異変が現れやすくなります。脳ではめまい、立ちくらみ、集中力や記憶力の低下、頭痛、けいれん、意識消失など、消化器では食欲低下、悪心、嘔吐、下痢、便秘など、筋肉では筋肉痛、しびれ、まひ、こむら返りなどです。そして、高齢者は特に脱水に注意が必要です。高齢者が脱水状態になりやすい理由は、①体液をためる筋肉が少ないこと ②食が細くなったり、暑さによる食欲不振のため、水分や塩分が通常よりも摂っていない ③のどが渇いているのに気づかないからです。脱水を回避するには、規則正しい食生活を送ること、1日8回を目安に、こまかに水分を補給する(いっぺんにではなく、数回に分ける)、ことが挙げられます。

とはいえ、一番いいのは涼しい場所にいることです。また我慢せずにエアコンや扇風機に頼ることも必要です。