神秘の植物 黒ガリンガル発掘物語 その7

人智を越えた、驚きの栽培法!

すでに受け入れられて、いつものように歓迎してくれた彼らに、正直にすべてを話しました。

「だから言っただろ、できないよって。黒ガリンガルは山の神様の贈り物なんだよ。たとえできたとしても、この地域で採れたもの以外はホンモノの黒ガリンガルじゃない。だって山の神様の贈り物じゃないんだから」と、口々に言われました。

そして、どうしてそんなに黒ガリンガルが欲しいのか、もう一度尋ねられました。

日本の高齢化と少子化の事情を説明すると、彼らの間に大きな衝撃が走ったようでした。

彼ら秘境地帯に暮らす彼らにとって、日本は素晴らしい先進国というイメージしかなく、自分たちには想像できないくらいお金持ちで、みんな豊かだと思っていたのです。思いもよらなかった日本の現状を聞いて、ただ驚くばかり。山の神様の恩恵を受けてきた村人たちに、日本でも、いや少子高齢化の先陣を切る日本にこそ、奇跡の植物黒ガリンガルが必要なのだと伝わったのです。

ついに彼らは、自分たちの黒ガリンガルの畑へと、連れていってくれました。

畑?──想像してたものとまったく違った光景が広がっていました。一見して畑らしいものがないのです。雑草は伸び放題。人手のはいってない山の中と何も変わらない。足元をすくわれた思いでした。自分が栽培しようとした、手入れの行き届いたオーガニック農園と、何もかもが違っていました。

彼らが、ホンモノだ、という黒ガリンガルは、農薬はもちろんのこと、肥料もいっさい使用せず、雑草の手入れも水やりもしない、まさにこの地域に自生する、野生黒ガリンガルとほとんど変わらない状態で育てられていたのです。しかも、一度収穫すると、黒ガリンガルはその土地のパワーをすべて吸い上げてしまうため5年間はその土地を休ませないとはいけないといいます。

人間の知恵なんて、大自然の前には遠く及ばない。1200年以上脈々と受け継がれてきた、経験の集積の前では、個人の知識の力など、ないに等しい。と思い知らされました。

そして、彼らに頼んだのです。

「この最高の黒ガリンガルを必要としている人たちのために作ってくれませんか?」と。

放ったらかしといってもいい自然農法による、野生種に限りなく近い黒ガリンガルを、自分のために、いや、必要としている日本の人たちのために、ぜひとも作って欲しい──心からの懇願でした。

もう、おわかりですね。数年にもおよぶ秘境詣でで、勝ち取った信頼関係。門外不出の黒ガリンガルを、誰にも与えたことがない黒ガリンガルを、神様の許可を得て、一度持ち出しているのです。すでに全面的に受け入れているのです。

そして、秘境の民人とて、子や孫は可愛い。子供たち・孫たちを良い学校に行かせたい、と思っています。きちんと字が読めて書けるようになって欲しいと願っています。教育を受けて、良い生活をして欲しいと望んでいます。

日本の人たちが必要としている、ホンモノの黒ガリンガルを、作ってくれるのなら、それはあなたたちの生活の糧にもなる。子供に教育を受けさせるチャンスを与え、大人になったとき、山の神様からの贈り物に、心の底から感謝する日がくるに違いない。こういった、いい関係が築けませんか?

そういう申し出に、彼らは日焼けした顔に優しい満面の笑みを浮かべて、応えてくれました。

「あなたならいいよ。一緒にやれると思う。」

見果てぬ夢を追い続けた、情熱と行動力が、願いを叶えたのです。

神秘の植物 黒ガリンガル発掘物語 その6

転落──どうしてこうなるの?

苦労に苦労を重ね、やっとの思いで手にした種芋。その種芋を、もうひとつの宝石──黒コショウを作っている広大な農園で栽培しようと試みました。

日本の最高の農業技術を駆使すれば、もっと良質な黒ガリンガルが出来るに違いない。日本から農業技術者を招いて農園を改良しました。良質の有機肥料を与え、スタッフが毎日雑草を取り、水もタップリと与えて、大切に大切に育てました。

すべてが順調に見えました。

黒ガリンガルの葉は、自生地で見たよりも青々と勢いよく茂り、手応え充分。これならば期待以上の収穫量が見込める。毎日毎日、その姿を見ることが喜ばしい日課になっていて、幻の植物の大発見者として讃えられる、輝かしい未来の姿が目に浮かんできます。黒ガリンガルの葉が青々と育つほどに、夢も大きく膨らんでいきました。

そして一年後、夢は・・・水泡に帰す・・・・・結果となりました。

勢いよく青々と茂った葉。地面の下では、大きく育った黒ガリンガルが・・・ひとつもなかったのです。

茫然自失。ことばを失い、ただ茫然と立ち尽くすばかりです。全身の力が抜けて、もはや立っていられずに、座り込んでしまいました。

この時、インディS氏の脳裏に、フッと閃くものがありました。キッカケをつくってくれたスタッフのひとことです。

──ある地域でしか育たない凄い薬草──

幻には幻なりの理由があったのです。

いくら門外不出とはいえ、1200年以上もの間、誰も持ち出さなかったとは考えにくい。危険きわまりないとはいえ、自生地もある。近隣の部族から部族へと少しずつ噂は広がり、自分たちのところでも栽培を試みた可能性の方が高いのではなかろうか?でも、栽培できなかったと。

最悪の収穫日から数日後、懲りない男インディS氏は、またしてもガタガタの山道を毎日何時間も揺られて、秘境地帯の民の元へと向かって行きました。

神秘の植物 黒ガリンガル発掘物語 その5

黒ガリンガルを求めて──再訪、秘境地帯へ

ある日の出来事です。ある村の村長さんのひとことが、新たな道しるべとなっていくのです。

「おまえさん、身体悪いだろ?商売もいいけどな、自分の分だけ分けてあげるから飲んでごらん。不健康じゃなにもできないよ」

時間をやまほどかけ、お金を捨てるように使い、やっとの思いでつかんだ、自分の分だけの本物。

本物はホンモノでした。

当時のインディS氏は様々な病気を抱えていました。主な病歴は痛風を発症し、はや17年の大ベテラン。そして、ニトロを手放せない狭心症。

しかしながら、前代未聞の精力剤という考えしかないインディS氏は、人体実験のつもりで黒ガリンガルを飲んだのでした。

期待通り、驚くほどの下半身効果が現れました。でもそれ以上にびっくりしたのが、なんと3ヶ月に一度は起こる痛風発作が起きない。期待して待っているのではないのです。そうではなく、怖いのです。あの痛み。風が吹いても痛いとはよくいったもの、経験者にしか分からない。あの痛みへの恐怖。いつくるか、いつ始まるのか怯えている姿が、まるで待ち望んでいる姿に似通ってしまうのです。

17年もの間、発作の前兆に怯え、痛みに苦しみ、自業自得と思ってひたすら痛みが去るのを待ち、耐えるだけの辛い日々。

前兆は間違いなくあったのです。それで発作がこないなんて、この17年間一度もありませんでした。明日にはきっとくる。翌日また、明日には絶対・・・。待ってはいないのです。でも起きない。それ以来、現在まで一度も痛風発作が起きたことはありません。

「解放されたのかもしれない!」

尿酸値は高い(9以上、7までが正常値)ままです。しかし、薬は飲んでいません。ついに、痛風関節である左親指下の腫れもなくなってしまいました。自分以上に家族や社員など周囲の人たちが驚いていました。心臓発作の回数も減って、小走りすら避けていたのが、毎朝30分も散歩するようになっていたのです。

「この黒ガリンガルのおかげに違いない」──感動でした。感激でした。

目から鱗とは、まさにこのこと。すでに魂の変容が進みつつあったのです。

「どうしても日本に、黒ガリンガルを届けたい」──強い想いが地下のマグマのようにうごめき始めました。

高齢化がどんどんすすんでいる日本。自分と同じように病に苦しむ人々が大勢いる。そんな人たちが少しでも良くなれば。長年苦しみ続けた持病からの解放。この喜びを、この感激を分かち合うことができるのなら・・・

神秘の植物 黒ガリンガル発掘物語 その4

転進──変容した情熱

ある日の出来事です。ある村の村長さんのひとことが、新たな道しるべとなっていくのです。

「おまえさん、身体悪いだろ?商売もいいけどな、自分の分だけ分けてあげるから飲んでごらん。不健康じゃなにもできないよ」

時間をやまほどかけ、お金を捨てるように使い、やっとの思いでつかんだ、自分の分だけの本物。

本物はホンモノでした。

当時のインディS氏は様々な病気を抱えていました。主な病歴は痛風を発症し、はや17年の大ベテラン。そして、ニトロを手放せない狭心症。

しかしながら、前代未聞の精力剤という考えしかないインディS氏は、人体実験のつもりで黒ガリンガルを飲んだのでした。

期待通り、驚くほどの下半身効果が現れました。でもそれ以上にびっくりしたのが、なんと3ヶ月に一度は起こる痛風発作が起きない。期待して待っているのではないのです。そうではなく、怖いのです。あの痛み。風が吹いても痛いとはよくいったもの、経験者にしか分からない。あの痛みへの恐怖。いつくるか、いつ始まるのか怯えている姿が、まるで待ち望んでいる姿に似通ってしまうのです。

17年もの間、発作の前兆に怯え、痛みに苦しみ、自業自得と思ってひたすら痛みが去るのを待ち、耐えるだけの辛い日々。

前兆は間違いなくあったのです。それで発作がこないなんて、この17年間一度もありませんでした。明日にはきっとくる。翌日また、明日には絶対・・・。待ってはいないのです。でも起きない。それ以来、現在まで一度も痛風発作が起きたことはありません。

「解放されたのかもしれない!」

尿酸値は高い(9以上、7までが正常値)ままです。しかし、薬は飲んでいません。ついに、痛風関節である左親指下の腫れもなくなってしまいました。自分以上に家族や社員など周囲の人たちが驚いていました。心臓発作の回数も減って、小走りすら避けていたのが、毎朝30分も散歩するようになっていたのです。

「この黒ガリンガルのおかげに違いない」──感動でした。感激でした。

目から鱗とは、まさにこのこと。すでに魂の変容が進みつつあったのです。

「どうしても日本に、黒ガリンガルを届けたい」──強い想いが地下のマグマのようにうごめき始めました。

高齢化がどんどんすすんでいる日本。自分と同じように病に苦しむ人々が大勢いる。そんな人たちが少しでも良くなれば。長年苦しみ続けた持病からの解放。この喜びを、この感激を分かち合うことができるのなら・・・

神秘の植物 黒ガリンガル発掘物語 その3

元気過ぎる、秘境地域に暮らす人々

現地に着いて、インディS氏が目にしたものは元気なお年寄りの多さと、機械化されていない農作業をどんどんこなしていく姿でした。動きがホントに若い。ピックアップトラックの荷台にヒョイと飛び乗り、誰の助けも借りずに飛び降りて、山道をスタスタと農具を担いで歩いていく。年齢を聞いてビックリ。80歳以上の人達が大勢いました。

東南アジア全体の平均寿命は50代前半。ところが、彼ら秘境に暮らす人々の平均寿命は、なんと80代後半だというのです。

さらに驚きと興奮の波にさらわれるような出来事が続きます。ある80過ぎの村長さんのお孫さんに、お菓子を手渡しました。まずは子供に優しくして、子供の心をまずつかみ取れ。親は子供についてくるもの。そして話してみると・・・・・まだ5、6歳の男の子は孫ではなく、なんと村長さんの子供だったのです!

しかも村長はさんは、この地域では80代の男性が子供をつくることは普通で、女性の高齢での自然出産もあると、平気な顔で言います。

何人ものお年寄りに聞いて回りました。どうして皆さん、そんなに元気なのか?と。

答えは同じ。「赤ちゃんの時から毎日、お守りがわりに『山の神様の贈り物』を食べているから」

黒ガリンガルという植物、それが『山の神様の贈り物』だと秘境地域に暮らす人々に教えられました。

インディS氏は、「あの話は本当だったんだ。オレはついに宝の山を見つけたんだ」

期待通りの答えが返ってきて、まさに天にも昇る気持ち。興奮のあまり踊り出したい気分でした。すでに幻かと思っていた植物を手にし、大金が転がり込んだ想いで、期待を糧にした想像は膨らむばかりだったのです。しかしながら、思うようにいかないのが現実。

点在する集落という集落を訪ね歩き、黒ガリンガルの種芋を譲って欲しいと頼みました。でも、一向にいい返事をもらうことが出来ない。誰ひとりとして首を縦に振らないのです。何故なのか訳が分からない。一度決めたら、決して諦めない性分。まして、奇跡の精力剤ともいうべき植物を目の前にしながら手が届かないなんて・・・

あり得ない!──秘境地域で暮らす人々は、点在する集落すべてが密約でも交わしたかのように種芋を譲ってくれないのです。無駄足を重ねる訪問。諦める訳にはいかない、引き下がるなんて考えられない。ここで諦めたら、今までの苦労が水の泡となってしまうとの一念で、決して諦めなかった。そしてついに、諦めない情熱が実を結び、細い絆の糸でつなぎとめる結果となったのでした。

そして、縁をつなぎとめた一本の糸が、今後のインディS氏の人生を大きく変えていくキッカケとなったのです。