◆糖尿病と認知症

昔は高齢者になると認知症になる、認知症になるのは仕方がないと考えられていました。
しかし、実際のところ、40代で若年性認知症、若年性アルツハイマーになる人もいます。また、2025年問題と騒がれていますが、あと7~8年もすると、65歳以上の5人に1人が認知症になると言われています。
認知症はまさに、大きな社会問題となっています。
特にアルツハイマー型認知症の人は増加しており、糖尿病の人が増えてきたことと関係していることが分かってきました。
最近の研究では、アルツハイマー型認知症の脳の記憶を司る部分で、複数の遺伝子の働きに異常が発見されました。その中にインスリンと関連する遺伝子も、複数含まれていました。
インスリンは、血糖値を下げる働きをする、たったひとつのホルモンです。アルツハイマー型認知症では、複数の遺伝子の働きが低下しているため、糖を十分に利用できず、様々なストレスに弱くなります。このような状態で糖尿病を発病すると、アルツハイマー型認知症が進行するのではないかと考えられているのです。

◆世界で肥満児が増加???

近年、世界的な肥満者の増加が、多くの余病の誘因とされています。今まで肥満というと、所得が多い国での増加と考えられていましたが、最近では中・低所得の国(都市部)でも増加しているようです。原因は運動不足、交通手段の変化(歩かなくなった)、高カロリーの食事です。肥満は糖尿病、心血管病変、骨格系の障害、ガンの発症にも影響を及ぼすので、小児期からの肥満はこれらの疾患の発症リスクを更に上げてしまいます。

栃木県大田原市は全国でも肥満児が多い市だとのことで、子供の頃から肥満に対する教育をしているそうです。1歳6ヶ月検診、3歳児検診から、きちんと教育をしているようです。子供はまだ小さいので自分で判断は出来ませんから、まずは親への教育となります。
毎日新聞の記事➡ https://mainichi.jp/articles/20170316/ddm/013/100/022000c

WHOでは脂肪と糖分摂取を控え、野菜や果物の摂取を増やし、毎日60分程度の身体活動を推奨しています。同時に栃木県大田原市のように、国や地域をあげて行政の早急な取り組みが重要です。世界的な肥満を少しでも解消するには、どの国でも乳幼児から適切な食生活、運動などの指導が必要です。

◆「世界糖尿病デー」

2017年11月14日は「世界糖尿病デー」世界の糖尿病人口は3億8700万人に上っているそうです。このような状況を踏まえて、国連がIDF(国際糖尿病連合・現在約170ヶ国230団体が加盟)が要請してきた「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」を国連総会議で採択したのです。
詳しくはこちら➡ http://www.wddj.jp/

本日から複数回に渡り、糖尿病に関する情報をお伝えしたいと思います。今回は糖尿病だった有名人のお話です。平安時代の貴族である藤原道長は「糖尿病」を患っていたと言います。51歳の頃から、やたらと喉が渇き、よく水を飲んでいたとの記述から、Ⅱ型糖尿病だったのでしょう。この藤原道長は日本で最初に糖尿病になった人とも言われていて、何年も前に記念切手のモデルにもなりました。また、岡倉天心、徳川家康、幸田露伴も糖尿病だったそうです。時代が時代だっただけに、今のようにインスリン注射も血糖降下剤もないので、どれだけ苦しい思いをしたのか分かりません。現在、糖尿病と診断され、毎日、インスリン注射や血糖降下剤などを服用し治療をなさっている方、日々、大変ではありますが、藤原道長や徳川家康の事を考えると、予防法も治療法もあるので、医学の進歩に感謝せずにはいられません。

◆黒ガリンガルという植物の歴史

黒ガリンガルは1,200年以上も前から、タイの王室専用として民間薬として使用されていたという記述があることから、かなり昔から使用されていたことが分かります。実際にご覧になった方はいらっしゃらないと思いますが、見た目はショウガそっくりなので、馴染みやすい感じはしますが、問題は味です。最初に口にした方は、こんなに苦いと思わなかったと思います。それ位に苦いです。香りも漢方薬のような香りですし、やはり良薬口に苦しとは、本当なんだなと思わずにはいられません。でも人間の慣れとは恐ろしいもので、毎日、食していると苦味なんて平気になるようです。実際、原産地の方は黒ガリンガルを、赤ちゃんの頃から、すりおろして食べていますし、大人はガリガリとかじっています。原産地の方にお聞きすると、この黒ガリンガルを食べていれば病気にならないと言います。実際に皆さん、元気です。山の神様の贈り物として大事にしてきた理由が分かりますね。

◆黒ガリンガルと抗アレルギー作用③

アレルギーで起こる病気を列記します。

アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、気管支喘息、じんましん、食物アレルギー、アナフィラキシーショックなどです。聞いたことのある名前ばかりで、とても身近に感じます。アレルギーの病気は、もともとアレルギー体質があるひとに起こるのですが、最近のアレルギー疾患の増加は、環境の変化が影響しているといわれています。住宅環境によりダニやカビが増える、食生活の変化で洋風の食事や食品添加物が増える、皮膚がひどく乾燥する、感染症の病気が減ってからだの免疫反応がアレルギーの起こりやすい方向に傾く、などがあげられています。これらを見ると、誰でもアレルギー疾患に罹患する可能性はあるということですね。

この中でアトピー性皮膚炎について書かせて頂きますが、治療にステロイド剤を使用することがあります。このステロイド剤で一時的には良くなったのですが、また悪化してしまったという方が私の身近にいます。アトピー性皮膚炎の方はひどい乾燥肌で、強いかゆみを伴います。昔は皮膚科に行くとかゆみ止めといってステロイド剤を渡されますが、このステロイド剤、最初は本当に良く効きます。しかし、使い続けていくうちに、だんだん効かなくなり、更に強いステロイド剤を処方され、これもまた効かなくなり、そのうち症状はどんどん悪化していきます。最近ではステロイド剤ではなく、別の薬を出して下さる病院が増えたように感じます。医療も日進月歩で、日々、進化しているのですね。